2014年10月31日金曜日

アメリカカンザイシロアリよりイエシロアリが最強!

いやぁ、アメリカカンザイシロアリ、ほんまに怖いですよね。。
でもホウ酸に対する耐性を毒性閾値と専門用語では言いますが、
ホウ酸に対して昆虫類最強の毒性閾値を実際に持っているのは、
アメリカカンザイシロアリ(drywood termite)ではありません。

イエシロアリ(formosan subterranean termite)が最強です。
直訳すれば、台湾地下しろありですね。
アメリカのは飛んできて乾材好きで台湾のは地下からで獰猛と。

さて、このイエシロアリ、我々イエシロだとか、単にイエとか
呼んだりしますが、怖いです。厄介です。しかも普通にいます。
ヤマトシロアリと並んで日本の代表的在来種ですから当然です。

これまでは太平洋岸沿岸を中心にと言われ続けていましたが、
温暖化の影響もあってか既に北上の一途を辿っており、実際に
長期優良住宅の行政の研究会では、新潟ぐらいまで要警戒だと
警告しており、近い将来劣化対策の見直しが諮られる予定です。

ハワイで州法化された全構造材処理も、主としてイエシロアリ
対策とも言われていますから、それだけ脅威だということです。
実際、一つのコロニーで数百万頭の大群もと言われてますから、
獰猛で、平気で柱や、梁、天井、二階でもガンガン上がります。

まあ我々の扱うホウ酸溶液の濃度は相当に濃いですので、当然
イエシロにも十二分に効くよう設定管理されています。これが、
他社で薄いものになると、その分リスクが増してくるわけです。
施工ムラもあることでしょうからねきっと。

で、シロアリの本場ハワイでは、ターマイト・テントと言って、
赤と黒の派手なテントで家中をすっぽり包み、燻蒸と呼ばれる
要は毒ガスを家中撒いたりします。新築では合成殺虫剤ですら
使えないのに、駆除となると豪快かつ合理的なんですよね。。

この毒ガスが相当に危険で、食べ物は冷蔵庫から持ち出すか、
二重タッパーに入れるかしないとならないレベルで、処理中も
外泊を強いられるのですが、たまに早く戻った住まい手さんが
毒ガスが残ってて死んでしまうなんて事故があったりします。。

まあでも徹底的に駆除しようとするとこのレベルが本来必要だ
ということですね。さすがに日本ではいろいろな意味でこれは
難しい処理方法だとは思いますが。でも簡易燻蒸はやってると。
まだ虫もいない新築で。やっぱりガラパゴスで妙な国ですよね。

ハワイ州は、ホウ酸全構造材処理が採用されて以来食害がゼロ。
日本は結構なシロアリ天国なのに、予防面が猛烈に甘いですね。
甘いというのか意味が殆どないことをやっているというのか。。
せっかくお金を掛けるんだから意味のあることに掛けましょう。

2014年10月30日木曜日

白い粉を濫用してはいけません。

また刺激的なタイトルつけてしまいましたが。笑 「ダメ絶対」というやつです。

ホウ酸塩はもともと白い粉です。怪しいです。飛行機には多分持ち込めません。笑
市販のホウ素系薬剤はこれに有機溶剤やら足して溶液状にしてボトル売りしてます。
ネットでもE社の市販品が売ってるんじゃないでしょうか。高いですが。

薬局で売ってるホウ砂、例えばヒメアリとかのアリ退治とかならあれでも十分です。
ホウ砂と書いてほうしゃと読みますが、でも5%ぐらいしか濃度溶けません。

これまたネット上でも売ってる「アリメツ」という素晴らしい商品があるんですが、
あれのホウ酸濃度はわずか2%。残りは砂糖水ですかね。
鰹節にこれまぶしときゃ、アリはいなくなります。

お客さんにご相談頂いた時は自社で作りますがついつい濃くなり高くつきます。笑
屋外でも使えるケースとかセットだったりするので、正直あっちの方がよいですし。。

我々のはもっともっと濃いです。DOT20%。ホウ酸濃度換算で言いますと24%BAE。
他社で薄いものだと1/3とかあります、、、イエシロアリにはまずダメでしょうね。

あと、誰がどのように塗るかなんですが、我々はJBTA認定専門資格のホウ酸施工士。
いわゆる責任施工で、材工セットです。他社品は大工さん左官さんとかがついで?で
塗ってますから、雨対策とかどうなってるのかわかりません。くわばらくわばら。

事実関係だけ申し上げますが、某E社が保険会社からの通達で、10/1より保証期間を
最大15年から10年に短縮されました。。我々の後追いで15年にしてたんですけどね。

保険会社に払う保証料なんて数千円(我々は3千円、E社は15年で7,500円)ですので
金銭的な問題ではおそらくないはずですが。。まあ、15年の頃の条件も定期点検を
何回も何回も受けさせたり、多分に?マークだったんですが。

材料売りしてると問題が顕在化するであろうことは我々同業の立場からするともう
火を見るより明らかだったんですよね。。ちゃんと研修やマニュアルも必要ですし。

せっかく現在ホウ酸のマーケットにはブルーオーシャンが広がっているというのに、
同業からそのようなネガティブな話が出ると、守旧派(笑)から叩かれるのが目に
見えていますから、率直に言って迷惑です。冗談抜きでちゃんとやって欲しいです。

今、お客さんはもとより施工店でもボロンdeガードに切り替えたいというお話が、
当社はもとより、日本ボレイト本部・ JBTA 認定施工店に山のように来ています。。
地に足つけて、しっかり取り組みたいと思いますが。

でも話聞いてると材工込みなのにうちの方が安かったり、よくあるんですよね・・・
安すぎるのではないか・・・(これはE社加盟店大手すらにも言われました。。)
まあ、今は普及のために正義のために本部も施工店も頑張っている状況ですから。

というわけで、ホウ酸は容量用法を正しく遵守して、専門家の手に委ねてください。
住まい手さんも、ホウ酸もいろいろあり、くれぐれも類似品にはご留意ください。。
以前にも申しましたが、他社品には必ず輸入国産問わず有機系溶剤が入っています。

薄かったり、保管状況が悪かったり(そもそも結晶化するので殆ど保存効きません)
誰がどのように塗ったのかわからないと万一事故時に泣くことになりかねませんよ。
これは脅しではなく、現実に起きている話です。(我々は保険事故は本当にゼロ!)

2014年10月29日水曜日

アメリカカンザイシロアリ被害写真(小屋裏)


こうならないように全構造材処理/ダスティングをお勧めします。

as of 10/23/2014 in Yokohama


小屋裏の梁がこの状態です。


表面から見て大丈夫そうでも一皮むくと特徴的な糞が滝のように流れ落ちてきます。

特徴的な俵型をしています。蟻道は殆ど残しませんのでこれが発見の頼りです。


シートを敷いていましたが、糞が山のように、ゴミ袋いっぱい取れました。


柱もぐすぐすです。耐震も気密もあったものではありません。後ほど交換いただきます。


柱から柱へ縦横無尽に、多数のコロニーを家中に巣食って行きます。その数数十カ所、、


徹底駆除には根気のいる継続作業が必要です。費用も百万単位になりがちです。。

*住まい手さんにはご信頼を頂き安心安全なホウ酸処理ということで、実際被害の恐ろしさをご存じない方への周知啓蒙のため、web上での広報にも今回ご了承を頂きました。
他業者に薬剤処理でいろいろ嫌な目にも遭われたそうです。もし家中に合成殺虫剤を撒かれたらたまったもんじゃありません。。。住まい手さん自身生活できなくなってしまいます。

2014年10月28日火曜日

シロアリ屋さんに一体いくら払い続けるのですか?

先日新築ダスティングという勇気あるご選択、ご採用を戴いたFさんから
前回のブログに関して、Facebook上でシェア、ご投稿をいただきました。

工務店の標準薬剤はガントナーMCで、キャンセルにより3万5千円の減。
5年保証で、5年ごとに再施工が必要で1回に15万円程度が必要とのこと。

これは安いほうだと思います。だいたい設計価格の比較で我々が想定を
しているのが、合成殺虫剤の場合、新築施工に5万円。保証は5 or 10年。
再施工の費用で15〜20万円(30坪総二階の家の場合)がごく標準的です。

今回はコストの比較をします。

同じ想定の家で、我々の設計価格は10万円です。それで標準15年保証。
相手はGLから1m以内の外壁の軸組等のみ(要は床上は外周部だけ。)
我々は基礎天端1m以内の木部全て、剛床の合板も間柱も全部やります。

我々の15年保証には大手保険会社が入っています(まともだとそうです)
5年後と10年後、2回の定期点検が必要です。こちらが1回5万円×2回です。
ですから、トータルコストでイニシャル10万+ランニング10万=20万円。
これで基本的には再施工は不要と申しています。

中には工務店さんやビルダーさん、住まい手さんにも猛者もいらして、
ランニングの10万もったいないから(我々もそこで儲けるつもりもない)
もういっそ保証5年でもいいよと。まあ15年保証料って3千円+消費税だけ
なので一応掛けておいて住まい手さんのお好きなように、なんてことが
あったりします。そうなると10万円、正確には保証料3千円に別途消費税。
合計で11万ちょっとで完結するわけです。

方や、合成殺虫剤(それに限りませんが、要は揮発する薬剤)だと、
最初が仮に5万円でも、5年ごとに15万ずつプラスかかっていくわけです。
そうなると5年目で20万、10年目で35万、15年目で50万、20年目で65万、、、
なんて調子で消費税と合わせて加算されます。 これで30年越えてくると
ゆうに100万オーバー・・・再施工が20万なら150万オーバー・・・

いや、5年に一回もしないよと言う方もいるかもしれない。まあ保証が
5年しかないものをそれでいいかはわかりませんが、じゃあ10年ごとで
10年目で20万円、20年目で35万円、30年目で50万円、、、或いは75万。
いずれにしても全く安くない金額です。現在価値に割り戻してください。

これなら、我々の全構造材処理で、最初に30万(と保証料+税金)だけ
出してもらえれば家中 アメリカカンザイシロアリも腐朽菌もOKなのに。

しかもこれ、再施工って床下だけの話ですよ?壁の中どうやって再施工
やるんでしょうね?できませんよ、壁剥がさないと。その費用は別です。
すなわち、壁の中は最大5年で、後はほったらかし、知りません状態。。

いいかげんですよねーーー。公庫の仕様って最低限度でもGL1m基準が
あるっていうのに、それすら5年(実際はそれ以下?・・・)で切れる。

しかも薬剤は有害性が疑われており、空気を汚し続ける。地獄ですね。
いったい何のためにやるんでしょうか。Fさんの気持ちよくわかります。

ちなみに Fさんが聞いてきたガントナーMCというネオニコチノイド系。
なんとEUでもアメリカ諸州でも、隣の韓国でも使用禁止になったのに
今年になって、しれっと住友化学(住化エンバイロメンタルサイエンス)
堂々新商品として発売してきたんですよね・・・正直感性を疑います。

そしてこの面々、住化や三井化学などのメーカー、なんとこの悪名高き
ネオニコチノイド農薬を使用緩和しようと、もともとゆるいのを最大で
2000倍緩和しようと行政に働きかけていてグリーンピースほか、心ある
大勢の国民から現在猛反発食らっています。恥ずかしいですね。
大切な地球、子供たちを守ろうともしない・・・

とにかく、ちゃんとしないとライフサイクルコストが膨らみますよと。
しかも不健康な住まいになりますよと。挙句に耐久性も落ちますよと。
マクロだけでなくミクロの話でもそういう話です。
逆に言えば、きちんとボロンdeガード、特に全構造体処理いただければ
ライフサイクルコストも抑え、健康快適な住まいで、耐久性も難燃性も
向上するという、いいことづくめですね。是非よく考えてみてください。

天然が一番、自然が一番は本当なのか?

少々悩ましいテーマにしてみました。

まずホウ酸の話、これは鉱石です。山から採れます。
残念ながら日本には砂漠がないので採掘はされません。
メキシコ、米カリフォルニアなどの鉱山で採掘されます。

ただし、ホウ酸泉という格好で温泉では湧出しています。
ずた袋に入って肥料としても売られて、使われています。
農業をされる方なら普通にお使いです。

付け加えると目薬に入ってたり、ワインに入ってたり、
本場物のキャビアに入ってたりもします。かつては、
日本でも食料保存剤で使われていました。
アメリカあたりでは洗濯石鹸に普通に入っています。
ストラディバリウスの制作に使われていたのも有名です。

このホウ酸塩というしろもの(まさしく白い粉ですが)
実際工場で100%純度に化学的に精製はされていますが、
これは漆喰の原材料の石灰石あたりでも同じことです。
要は同じ天然自然物であり、無機物です。

私はこの無機というのが結構重要だと思っています。

というのは一言にホウ素系の防腐・防蟻剤といっても、
有機溶剤とかが混入されているケースが実際多いのです。
多いというか、他は国外製品含めて全て入っています。

なぜ溶剤を入れるかというのは鮮度を保てないというか
要は結晶化しないようにしているわけです。

それでも我々より薄いながらも放っておくとすぐ結晶化を
してしまうものがメーカー商社販売店通じて市場に平気で
流通しています。特にこれからの冬のシーズンが怖いです。

どうやら怖いと思っているのは我々同業者だけではなく、
保険会社もそう感じているようで、保証期間が短縮される
同業他社さん(E社さん)が残念ながら出てしまいました。

保険事故はありませんと謳ってらっしゃいますが、保険を
使わなければ保険事故にはならないそう(一般論として)。
誰がどのように施工しているかもマニュアルも十分でなく
わからないのでさもありなんな気もするのですが。。

というわけで我々はフレッシュな作りたてをお客様の元に
お届けし自分達でその場で調理するわけですから美味です!
ホウ酸は無色無臭で味もへったくれもないのですが。。笑

ちなみに誤飲しても96時間以内に腎臓で100%処理されます。
誤飲なんかしませんけどね。関係するのは施工者だけです。

先述のとおり施工後は揮発しませんので、住まい手さんが
壁むりやり引っ剥がして柱や土台を舐め続けでもしない限り...

それでも到底危険量には至りませんが(塩やコーヒーと同じで
原材料の粉の状態で200gぐらい以上、成人男性で必要です。)

防蟻の観点から言えば、無機系の面材、ダイライトやMoissなど
これらは物理的にかじられません。食害リスクがありません。
ですから耐震でも防蟻でも結露回避でもメリットはありますね。

私のオススメはハイベストウッドですね(我が家はダイライト)
これにホウ酸を塗ればばっちりかと。。コストバランスもOK。
唯一ホウ酸吸いまくるのが難点ですが。笑

一方、防蟻の観点で、天然自然ぽい話になると、だいたい以下の
ような2大トピックが出てきます。

①炭は?ひば油は?柿渋は?にがりは?天然ピレスロイドは?

 面倒なのでひとくくりにしましたが。笑 炭に防蟻効果はゼロ。
 ひば油は効果ありますが揮発する上に高価ですからすぐ無駄に。

 柿渋もにがりも効果で言えば。。。天ピレに至っては除虫菊で
 天然由来でも結局神経毒で合成ピレスロイドと作用は全く同じ。
 しかも揮発し効果はなくなります。

 結局大抵は揮発してしまいアウト。
 炭は揮発しないけど効果がない!
 にがりは販売中止になるようです。

②D1特定樹種、ヒノキや青森ヒバを土台とか使えばよいだろう。
 古い大工さんとかに多いです。ヒノキへの過剰なご信頼感。
 私もヒノキ大好きで自宅でもふんだんに使ってますが。

 まず「耐蟻性能」「耐腐性能」でぐぐって調べてみてください。
 大とか中とか小とか書いています。

 これは一定期間、屋外放置してどれが食われにくかったかを
 腐りにくかったかをただ単に順位づけしているだけの話です。
 結局みんな腐るし食害に遭います。当前です。それが自然です。

 しろありと腐朽菌というのは木材を分解する役割、益虫です。
 勝手に害虫と呼んでいますが、自然界では明らかに益虫です。
 木材のセルロースを分解できるのはこの二者だけだからです。

 そして、建物の二大劣化要因、これは腐れとしろあり被害です。
 腐れをなくすには、温度や湿度など要因は様々ですが、一番
 確実なのは腐朽菌自体を生息できなくしてしまうことです。
 ホウ酸は水虫(真菌類)にも効くとの話も一部ありますから。

 そして何十年と住まい続けるのに、半年や一年の実験だけで
 食害が多いや少ないではダメなことはお分かりかと思います。

 食われにくいではダメなのです。また通常の薬剤では虫の方で
 耐性がついてしまいイタチごっこになりますが、これもない。
 腎臓のない昆虫類等はホウ酸を処理できず代謝がストップ。
 この効き方は耐性がつかないのです。

 ヒノキに至ってはヒバと違いヒノキチオールすらありませんし
 過剰な信頼は正直やめたほうがよいです(杉の赤身でも同じ)。
 アメリカカンザイシロアリもヒノキは大好物ですし。。。

というわけで幾ら自然がいいからといって無処理で自然のままなら
虫に食われるのも腐るのも自然というごくごく当たり前の話です。

あと床下に風が通ればどうのこうの、乾燥してればどうのこうの、
もう迷信の域と思ってください。関係性がゼロとは言いませんが、
屋外の湿度が上がった時に基礎断熱でもしていない限り床下だけ
乾燥するなんてことはあり得ません。乾材白蟻に至っては・・・

とにかく科学的に、客観的に、論理的に何事も対処しましょう。
防腐防蟻も、建築でも、科学や物理の占める部分が大きいです。

情緒や感情、思い込みを信じてみても、いざというときににリスク
かぶるのは住まい手さんご自身ですからね。。木ぃつけなはれや!

2014年10月27日月曜日

俺の家は(私の家は)安心安全と本当に言えますか?

本日お邪魔した三重の工務店さんでこんなご質問が設計ご担当者の方からありました。

「防腐防蟻で合成殺虫剤が悪いのは感覚的にわかるんだけど、もっとこう、解りやすい、なんていうのか被害とかはないのですか?例えばベトナム戦争の枯れ葉剤とかのような奇形児だとか。。。」

現在日本の防腐防蟻剤で最も使われているネオニコチノイド系農薬でハチやトンボがいなくなる、すでにいなくなっているという深刻な生態系への影響、懸念の話も差し上げましたが、それよりも直接的な人体への影響に関する答えを欲されていたようです。

「海外では農薬の使用により生まれてくる赤ちゃんのIQが低下するリスクがあるとの研究データが発表されています。いわゆる発達障害リスクです。そもそも農薬は神経毒であり、おっしゃる枯れ葉剤、マスタードガスなどと同様に神経中枢に作用しますから。。奇形云々まではおそらくデータとしては拾えていませんが。。。」

古来、防腐防蟻業界も有機リン系の薬剤、薬害で大問題を起こして以来、同じ農薬由来の合成殺虫剤でも少しでも安全性の高いといわれる(=危険性の少ない)ものを化学メーカーも出してきてはいます。以前よりも匂いも減り、LD50(=半数致死量;当該量以上を摂取すると半数が致死するという危険性を判断する際の指数)のみで安全性を謳い、一見大丈夫そうなカタログスペックです。でも本当でしょうか。

揮発して効果もなくなる(*ホウ酸は揮発せず化学的に安定しています)、ましてや空気を汚して危険性が疑われるものを好き好んで使う必要性が本当にあるのでしょうか?(屋内の空気汚染の7割は床下からと言われています。) しろありの被害は確かに恐ろしいですが、そのために予防と称して少なくとも新築住宅の屋内に駆除剤を撒く必要があるのかどうか。

例えば蚊が出た時にキンチョールを撒く人はいますが、蚊が嫌だからといって家中にキンチョールを先に撒いておく人は居ないでしょう。でも、防腐防蟻剤でピレスロイド系農薬由来のものは、要はでっかいキンチョールを柱や土台に塗りたくっているわけです。代々木公園で大量に撒いていたあれです。800L撒いたそうですが、面積比率的に言えば家一軒にも同じぐらい撒いています。

だからと言って農薬が危険だから何もしなくていいということでもないのですが、これでは何もしないほうがましというのも比較論で正論だと思えてしまいます。既に正解はあるのですが、、、先日住まい手のFさんが工務店標準の防腐防蟻をキャンセルされ、建物竣工引き渡し直後にダスティング工事のご依頼を頂いたお話をしましたが、こういった勉強された方が造り手はもとより、住まい手さんにこそ増えることを祈ります。健康被害も何も全てのリスクは住まい手さんにありますので。

日本の防腐防蟻(劣化対策)はイニシャルコストがこれまでは殆どかかっていなかったのです。あとから駆除や再施工で儲けるシステムというのかビジネスモデルで繁盛してきたからです。大手ハウスメーカーに至っては、おそらくシロアリ業者側も無料に近い格好でやっているのでは?。。 あとから優良顧客名簿をもらえることを考えれば、5年後10年後、あるいはずっと商売の種の蓄積になるわけですから。業界(しろあり対策協会という業界団体)でホウ酸が嫌いな方が多いのもうなずけます。仕事がなくなりますから(もちろん問題意識を持ってホウ酸も手掛けておられる立派な方もいますが。)

ですから住まい手さんも、大切な家づくりのために劣化対策にも、一定のコストはFさんのように覚悟はされてください。といっても家一棟丸々やっても坪1マンです。通常の1m処理なら普通の家の大きさ(30坪総二階)で10万円程度の設計価格。新築でやってもらえば、将来の再施工は基本的には不要です。(標準15 年保証で、再施工でもう10年、都合25年保証も可能ですが。)

とにかくお金をかける順番だけは間違えないでください。よく言われることですが、内装仕様、あるいはキッチンなどの設備などは将来、後からでもいくらでも変更が効きます。一方、サッシや、断熱気密、それに防腐防蟻あたりはコスト的にも物理的にも後からだと容易に変更できない要素です。そして、それこそが将来コスト、ライフサイクルコストを決めます。イニシャルコストだけに目を奪われると業者さんのいい商売になるだけです。言葉は悪いですが、シロアリ業者さんの餌食になってしまわれては元も子もありません。

正しい劣化対策で建物の耐久性を向上させ、無駄なメンテナンスコストの掛からない、手間いらずで、それでいて健康快適で省エネな住まいを経済的に是非実現し手に入れられてください。良好な温熱環境を得た上で、カビやノミやダニやGにも悩まされない、安心安全で良好な空気環境を是非得ていただきたいです。我が家は実現しています。

2014年10月25日土曜日

アメリカカンザイシロアリ対策

前回に続き、アメカンのお話です。

じゃあ、どうすればいいのよ、建てちゃったじゃんという方。

建てる前なら全構造材処理するという方法もあったのですが。。

ご安心ください。粉を撒きましょう。我々が誇る独自技術です。

小屋裏を、床下を、軒天を、しろあり、害虫、カビ、腐朽菌の
住みつけない、100%純度のホウ酸で、清浄空間にしましょう。

ついでにホウ酸には難燃効果もあるので、燃えにくくなります。

ちょうど昨日今日と連チャンでダスティング施工でした。

昨日はお得意様の工務店さんのリノベーションのお客さん。
兵庫の自然溢れる伝統構造のお住まいを耐震断熱改修です。

その際に当然、劣化対策工事もボロンdeガード工法を標準で
ご採用頂いておりますので、改装部分にはたっぷり溶液処理を
その他にはダスティングと大変効果的にお使い分け頂きました。

こちらの工務店さんはすでに新築住宅でも既存住宅でも何度も
ご依頼頂いておりますので我々より下手するとお詳しいです。。

Facebookでもいつもご紹介頂いておりますので、シェアなどで
ご存知の方もいるかと思われます。兵庫県の西脇市がご本社で、
ツーバイフォーの高性能で高耐久な住宅をお手掛けです。
http://www.towahome.com
https://www.facebook.com/towahome3041

そして、本日は、なんと新築住宅でのダスティングのご依頼。。
それも奈良県の住まい手さんから直接のご依頼、ご用命でした。

敬愛する松尾設計室の松尾先生の京都のセミナー後の懇親会が
Fさんとの出会いでした(松尾先生のお名前は高気密高断熱を
お考えの方なら今やご存じない方はおられないかと思います。)

注:紛らわしいですがF邸のご設計は松尾さんではありません。
松尾先生にはボロンdeガード標準ご採用頂いておりますので。
http://www.matsuosekkei.com

諸事情から、新築時には、工務店さんの標準の防腐防蟻工事を
キャンセルされました。その上で、ダスティングして欲しいと。

正直売り込みらしい売り込みは当方の性格的にもしていません。
住まい手さんが最善最良の方法を検討された結果のご英断です。

小さなお子さん(下のお子さんはまだ生後5ヶ月の赤ちゃん)も
おられ、もちろん予算面での制約もきっとおありの中で、相当に
頭を悩まされた上でのご判断だったことと思います。

小屋裏、天井、床下、軒天を1日でお住まいながら処理可能です。
秋晴れの素晴らしいお天気の中、施工はスムーズに完了しました。
正直、妙な薬剤が撒かれておらず、床下が綺麗なので安心でした。

帰りがけに、住まい手さんからこんな嬉しいお言葉を頂きました。

「今日、うちの家はやっと完成しました。ありがとうございます。」

最新の高性能サッシYKK APのAPW430にも負けない、劣化対策も
最高レベルのお住まいにさせて戴いたと私共も自負しております。

皆様のご用命、ご縁に本当に感謝です。ありがとうございます。


アメリカカンザイシロアリは本当に怖いのか?

前回ホウ酸のことを書こうかと言いましたが、タイムリーにアメリカカンザイシロアリの駆除現場があったので、今回はアメリカカンザイシロアリについて書きますね。現場の様子はfacebookでもアップしておりますが、また動画もご紹介できればと思っています。

さて、アメリカカンザイシロアリ、漢字で書いてみると亜米利加乾材白蟻。怖い怖いと言われていますが一体何が怖いんでしょうかね。

まず第一に、通常の地下シロアリ、在来種のヤマトシロアリやイエシロアリのように土壌から上がってくるタイプではなく、飛来するということですね。だから換気口からでも軒天からでも外壁の通気層からでももちろん窓からでも平気で入ってきます。

今までのシロアリ対策は、土壌GLから1mだけ、まあぺろっと塗っておけばいいですよというのがお上の感覚だったわけです。まあお上でも公庫でもいいのですが、シロアリ対策のベースは今でいう住宅金融支援機構、以前の住宅金融公庫の指針がベースというのか全てだったんです。これは今でもそうです。だからやれヒノキやヒバなら無処理でOKだとか、外壁の軸組だけやっとけばいいとか無茶苦茶なやり方がまかり通っているわけですね。まあ、それで駆除と再施工の仕事でシロアリ業者さんは潤っている、潤っていたわけですが。

では、そのシロアリが飛んできたらどうすんのと。。どうすんのと言われても、何もしてなければ指加えてかじられるの見てるしかありません。まあ、殺虫剤買ってきて慌てて気づいた箇所にかけるぐらいのことでしょうが、そんなことをしてもほぼ無意味です。

アメリカカンザイシロアリが怖いのはその巣食い方です。まず、気付くかどうか。一般のシロアリのようにやれ点検してればいいんだというものでもありません。蟻道が通常ないからです。イメージとしてはキクイムシの食べ方に近いです。あれのすごい版、しかも強烈にタチの悪い版と考えてください。

キクイムシなら蹴り出し穴がぽつぽつぽつぽつ空いてきて、木屑が落ちてきたりで、あっ喰われてるなと視覚的にもわかろうものですが、アメリカカンザイシロアリの蹴り出し穴は小さくわかりにくいです。それでいて喰われ方はめちゃくちゃです。。

アメリカカンザイシロアリはコロニーを家中に作っていきます。一軒の家で30個以上コロニーがあったこともあります。すなわち数十カ所のコロニーから縦横無尽に、柱や梁の間を文字通り縦横無尽に巣食っていきます。

食害と併せて、彼ら特徴的な糞を出します。これが発見のきっかけである場合が多いのですが、家の中に出た場合、ホコリか何かと勘違いして掃除して気づかないケースもあります。

ただ、確実に柱や梁の中にはこの糞が大量に溜まっているのです。。。糞が溢れ出て、もう居場所がなくなってこぼれ出てきていると考えたほうが良いです。それだけ柱や梁の中はスカスカのメリメリ、パリパリになっています。一見大丈夫そうに見える柱や梁でも表面の皮を剥いで見るとザザザザザーっと大量の糞が滝のように流れ落ちてきます。これは衝撃的な光景です。この状態で、やれ耐震も気密もへったくれもあったもんじゃありません。

あなたの家が、大切な何千万もかけた家が、こだわりの無垢の柱が(特にヒノキを好みます。もちろん集成材でも同じことです。)気づかぬうちに屋根裏で、壁の中でカンザイシロアリの糞に毎日毎日ドンドンドンドンかじかじかじかじ化けていたらどうしますか?慌てて駆除を依頼しますか?誰に依頼しますか? その辺のシロアリ業者さんに相談しても大抵まともに処理できませんよ。どうしますか? 家中に薬剤を撒きますか? やれ安全だ安全だLD50だといつも得意げに話しているシロアリ業者の薦める農薬由来の合成殺虫剤、本当に家中に撒けますか? それ撒いて平気ですか? 小さなお子さんはいませんか? 妊婦さんは? アレルギーやご病気の方は? ペットは? 毎日毎日ガンガン頭が痛くても本当に平気ですか? 一回なんかで処理は通常終わりませんよ。下手すれば何年も何年もガンガン頭の痛い状態でその家に住みつづけられますか? 住宅ローンもあるでしょうね。実際、夜逃げ同然の空き家もあります。目も当てられません。

え? お化けみたいなもんだろうと? そんなの聞いたこともない見たこともない。

住宅ローン組むのに火災保険加入はマストですね。家が火災に会う確率、どの程度でしょうかね。設計士さんや工務店さんでも俺の作った家が燃えたってご経験は少ないかもしれませんね。でも不動産を担保に融資する銀行などの金融機関はそのリスクを考え保険を掛けさせるわけです。シロアリの被害にどんなにあったって、住めなくなることは想定していません。

アメリカカンザイシロアリの被害発生箇所は集中します。ネットとかでも被害状況調べると日本地図が出てきてこの辺が危ないとマーキングされています。でもあれで見てもなんのことだかさっぱりわかりません。もっとピンポイントに、何々市の、何々町、それも何丁目と何丁目だけ、なんていうのが最初は多いです。例えば川を挟むとそこそこ大きな川なら飛び越えられず、一定の挟まれたエリアだけ食い尽くされたりします。

米軍が近い、港が近いなんていうのが従来危険でしたが、今や輸入建材、輸入家具、特にリサイクルやアンティーク家具あたりがあるので怖いです。あなたにその趣味はなくても隣の家やその隣、あるいは同じ町内にそんな趣味の方がいて被害発生すればそこを起点に周辺が徐々に齧り尽くされていきます。このリスクを誰がどう担保、保証してくれるのでしょうか?  設計士さんでも工務店さんでも、アメリカンザイシロアリのことは聞いたことがあっても現実に経験や対応している方はおそらく殆どおられません。限られた予算がありますから、あるかないかわからない話を確率論的に排除してしまうというのは無理もないことかもしれません。然しながら、いざ発生時に誰がリスクとるのかは住まい手さん自身でしかありません。誰も守ってくれません。シロアリ業者に相談するたびに疑心暗鬼になり問題の深刻さに気づきます。

ほーら木造怖いでしょう、鉄骨のほうがいいですよとハウスメーカーの営業が進めてきたとしても、内部に木が使われている限り鉄骨でもRC造でも同じです。構造材がかじられないのが不幸中の幸いというだけです。天井でも壁の下地でも廻り縁でも食べられます。

よく作り手の方でも俺の作った家はシロアリの被害にあったことがないなんてことおっしゃる方もおられるので、正直信じるのもそれを聞き流すのも自由だと思います。すべては自己責任です。ただ非科学的なこと、科学的に検証可能性が乏しいことはあまり過信されない方が良いかと思います。地域性だ風土だとか、出てしまえば正直これは一緒です。

私がもし設計や工務店を自分自身がやるとしたら(やりませんが)、ホウ酸全構造材処理は標準化します。これは必ずです。えっ? 自分でやるから安く出来るんだろうと? あの、ボロンdeガードの施工店は工務店さんはダメなので。。笑 他の施工店さんに頼んででもやります。 実際に被害を見て知っている以上は、知っているのにそのリスクを放置するということが不可能だからです。放置に耐えうる程度の看過できるリスクとも思えません。これを読んだ方はぜひやってください。これは住まい手さんに申し上げています。最後のリスクは自分自身です。やってください。坪1万だけ上がります。それで腐朽菌も害虫も対策できます。難燃効果もあります。

え、もう建ててしまった? 今からでも遅くありません。ダスティングしましょう。小屋裏や床下、軒天にホウ酸の粉をぶわーーーっと撒きましょう。本部実用新案取得済みの私どもだけの特殊技術です。妊婦さんや保育園でも採用実績あります。特にリフォーム時には最適です。やりましょう。やっていいことばかりです。アメリカカンザイシロアリがでなくたって価値があります。丈夫な安心安全な家にします。あなたの大切な住まいをストラディバリウスのように。

2014年10月22日水曜日

一条工務店さん、もしくは大手ハウスメーカーさんのシロアリ対策って、実際どうなの?

まず最初に一言お断りです。

冒頭タイトルの質問への答えですが、業界の人間から率直に言って、
ハウスメーカーの防蟻は期待しないほうが良いです!(as of 2014.10)

いやもちろんチャンとやってくれますよ。オレンジ色や緑色や青色の
色鮮やかな薬剤を原発処理ではないですが防護服と防護マスクに身を
包んだ多くはしろあり対策協会会員の古参業者さんがぺろっと塗って
くれます。見学してみたいと言っても嫌がられること請け合い?です。

だって棟梁や大工さん監督さんも嫌がりますから。私だって嫌だ。笑
お断りしておきますが、一番気をつけないとならないのは施工者です。
毎日毎日やってるわけですから。それが嫌で体壊してからひば油とか
しこしこ塗ってる方もいます(ひば油が何故ダメかは別の機会に。。)

こうなると5年か10年経ったらハイ再施工が必要ですよと。シロアリが
いてもいなくてもシロアリ業者さんの方から寄ってこられます。ハイ。
でも再施工って、床下だけです。壁の中とかどうなっちゃってるのか。
そもそも農薬ってポストハーベスト問題あるから1年以上効かない…?

さて閑話休題。一条工務店さん、今は亡き?Q値1.0を切る高性能住宅で
大手ハウスメーカーの中では、「家は性能」と大々的に謳っております。
私も一条ルールだの、やや無駄な全館床暖房とかさておいても、悪くは
ないかなと思います。鵜野日出男サンが褒めるのもうなずけなくもない。

三◯ホームさんもスミ△さんも皆んな一条に食われたから、業界揃って
一条憎しで、地域工務店さんは工務店さんで、競合ベンチマークとして
低価格の雄?タマホームさんと並び、やはり意識される機会が多いです。
要はあそこはダメだとおっしゃる方がごまんといるということですね。。

で、結論から申しますと。まあまあというところです。60点か70点。

一条さんは構造材に緑色の柱を売りにしています。ACQ、酸化銅系の
加圧注入処理材です。工場で処理された木材が現場に届きます。
Facebookにはちょくちょく書いてますし、FBのNoteにもまとめましたが
これで大丈夫とは謳いにくいです。端的に言うと、ちょっと古いんです。

銅系の業者さんはCCAの有毒性で叩かれたのを懲りずに改良改良を重ね
金属腐食性が少しでも低いものをと追求されていますが
「金属腐食性は、あります。」
今の木造住宅に金物は抜きに語れませんからこのリスクは少し怖いです。

さらに加圧処理材はどうしても現場で大工さんにカットされてますから。
木口(カットした切断面)は真っ白けのけ、です。現場でも実際見ます。
玄関周りなど、多いですね。写真もあったはずなので、また機会あれば。

アメリカでもイエシロアリが猛威をふるい防腐防蟻対策が最も進んでいる
ハワイ州でも銅系は使われません。ハワイは全構造材処理がマストですが、
ほぼホウ酸処理一択です。環境リスク・食害リスクの両面からだそうです。
(ちなみに私はハワイ州ドライバーズライセンスを持つ大好き人間です。)

北欧、寒くてシロアリが生息しないのに、スウェーデンが誇る名門企業の
ガデリウス・インダストリーさんの高性能木製サッシ枠にはホウ酸処理が。
これは防腐・防カビ・防虫・難燃性能を確保するためです。

さて、高断熱高気密住宅を謳うもう一つのハウスメーカーさん。
一つ、ってことはないですが、有名どころで、スウェーデンハウスさん。

ここんちの構造材はスウェーデン本国から輸入されてますがホウ酸処理が
ちゃんとされているそうです。確か三菱地所の合弁だった気がしますが、、
日本ではしなくても向こうでは世界でも常識なのでやっているわけです。。

で、SWHさんの柱全部が輸入材かどうかわかりません。土台、大引、柱、
間柱、構造用合板、などなど構造材はたくさんありますから。
気になる方は確認されてみてください。サッシはガデリウスのOEMのはず。

ただ、残念なことに、1m処理に合成殺虫剤、要は農薬由来の薬剤、しかも
悪名高きネオニコチノイド系をわざわざ日本でやっちゃってるみたいです。。
これは施主さんのブログ情報です。長期優良とか認定のためなんでしょうが。。

というわけで劣化対策を業とする防腐・防蟻業者としては、それも腐朽菌や
アメリカカンザイシロアリのような飛来する外来種への対策を行ったうえで、
長期に亘り真に優良な住宅を得るためには、全構造材にホウ酸処理するしか
現状ありませんねと。もう散々いろんな薬剤も使われてきて問題にもなって、
害虫側にも耐性がついてイタチごっこ(ホウ酸は耐性つきません。又後ほど。)

もう行きつくとこまで行き着いて、ホウ酸で一件落着してるのが世界中の状況。
オーストラリアやニュージーランドなら80年ぐらい前、ハワイなら30年ぐらい
日本はそれだけ遅れている、新築の木部に世界ではやっちゃいけない農薬系の
駆除剤を撒いて防蟻と称している異常なガラパゴスな国なわけです。
(さらにネオニコチノイド農薬の使用基準を緩和しようと狂った動きも。又。)

で、結論。

・一条さんの防腐防蟻はまあまあ。処理方法はもとより、全構造まで処理は
 結局されていないから、我々劣化対策屋さん的にはいずれにしても不十分。

・一方、SWHさんはひょっとしてホウ酸全構造材処理が実現している可能性が。
 でも濃度だとか処理方法とか詳細は分かりません。現場カットの木口も怖い。

とうわけで、高濃度でたっぷりと全構造材現場処理が可能なボロンdeガードが
オススメです。ハウスメーカーさんにやりたい!っと言っても入れてくれるかは
わかりませんが。。。我々が良くても先方サイドが問題の可能性大です。
認定だとか全部取っちゃってますからねそれで。

ちなみに我々の全構造材処理の設計価格だいたい坪@1万円です。施工床面積。
高いか安いかどうぞご自身でご判断ください。1mなら勿論もっと安いですよ。

私のお客様でも、新築時に無処理で何もしないで、引渡し直後にホウ酸処理を
やってくれという豪気な方もおられます。ダスティングという本部実用新案の
独自技術ですが。有り難いお話です。しょうもない処理ならしないほうがまし。
これはそのお客様も私自身も本音です。すぐ効かなくなるのに空気を汚すだけ。

次回は、もう少し噛み砕いてホウ酸のメリットとか書こうと思います。

(加筆:SWHさんのパネルのホウ酸処理は1mだけでした。as of 2015/2)

ホウ酸屋 Blog始めました

皆さん初めまして。Facebookでご存知の方はこんにちは。天野と申します。

簡単に自己紹介をさせて戴きますと、運営者は仕事的にはこんな人間です。

・有限会社天野事務所 代表取締役  FOUNDEER&CEO
 URL: www.sa5380.wix.com/borate
 Facebook: www.facebook.com/amanojimusho
・一般社団法人日本ホウ酸処理協会(JBTA)会員・認定ホウ酸施工士
・NPO法人新木造技術研究協議会(新住協)関西メンバー
・一般社団法人パッシブハウスジャパン(PHJ)公認省エネ建築診断士
・健康 快適 省エネ住宅研究会 in 関西(K.K.S.K.)設立発起人・代表世話人
 URL: www.sa5380.wix.com/kansai

日本とカリフォルニアの宅建とかも持ってますがあまり使ってません。

基本的に全ては住まい手のため健康で快適な省エネ住宅を経済的に実現する
という松尾設計室の松尾先生の考え、モットーをそのまま踏襲しています。

それを旧Ⅳ地域、すなわち一般的にも温暖地と言われる関西エリアで、
高温多湿でイエシロアリも多い関西で、実践をしようという考えです。
それには劣化対策、シロアリ対策や防腐・防カビ・防虫などは必須です。

おシゴトを簡単に言うと、ホウ酸でしろありや腐朽菌対策をしています。
ボロンdeガード工法というもので、全構造体に処理可能なのも魅力です。

ホウ酸は世界的には防腐防蟻処理の今や常識です。

又詳しく述べますが、ホウ酸は鉱山から取れる天然自然物で安心安全です。
揮発もしないので空気も汚さず効果が持続します。

ちなみに断熱気密部材なども扱っています。防蟻断熱材パフォームガードや
日本住環境さんの換気・気密部材などです。

これをお読みの方は設計や工務店のプロの方もおられれば一般の施主の方、
住まい手さんも多いかと思います。私はもともとが入り口建築の人間ではなく、
要はマニアックな施主から転じてこの仕事に就いている様なタイプの人間です。
ですから、住まい手さんの立場に立って、極力書くようにしたいと思います。

とはいえあくまで専門工事業ですから、直接のお客さんは設計士さん元請けの
工務店さんのケースが大半です。住まい手さんから直接お仕事のご依頼を頂戴
することもありますが、基本的には工務店さんやハウスメーカーさんを通して
お断りを入れた上でとなります。これは新築の場合は特にそうです。
中古住宅で、駆除や予防のみのご相談のときは全くその限りではありません。

何が言いたいと言いますと、筋はきちんと通したいと、そういうことです。

住まい手さんのためなら書きにくいこともはっきり書きます。
ただし、それは特定の対象をどうのこうのでなく、すべては住まい手さんのため
ひいては業界のためということもお含み置きいただきたく思います。

というわけで、次回よりBlog始めさせていただきます。(大昔やってましたが。)
初回は、皆さんも大好き?一条工務店さんの防腐防蟻を斬ってみたいと思います。