2014年12月3日水曜日

認定薬剤って?

さて、認定薬剤とは何か、まずそこから知ってください。

認定薬剤とは、文字通り認定された防腐防蟻剤のことです。

この認定が、一体どこから受けたものかが問題です。
以下は、とても大事な話です。

防腐防蟻剤として認定を受けるには大きく2つ方法があります。

1)公益社団法人 しろあり対策協会の認定品
2)公益社団法人 日本木材保存協会の認定品

前者は、国交省の管轄。後者は、農水省と経産省の管轄です。
この何れか又は両方の認定が無い限り認定薬剤とは言えません。

ホウ酸(ホウ素系薬剤)は認定をなかなかもらえませんでした。
業界団体、しろあり対策協会の赤ら様な反対があったからです。

2012年になって、2)木材保存協会の認定取得を果たしました。
古くから世界では常識の木材保存法がやっと認可されたのです。

逆説的ですが、認定薬剤であることはとても重要なことです。
効果が各種実験等により公的に実証されていることを意味します。

例えば、炭の防腐防蟻剤、市販でありますが認定品はありません。
認定とか書かれていても、どこの認定かよく確認されてください。

では、しろあり対策協会(以下、ハクタイキョウ)の認定品とは
どんなものか、リストです。下記からご覧になってみてください。

http://www.hakutaikyo.or.jp/nintei/

どうですか? 使いたい薬剤がありましたか? 私にはありませんが。

ついでに、ハクタイキョウが、生態系を壊し世界で禁止されている
ネオニコチノイド農薬について、どのようにコメントしているのか?

http://www.hakutaikyo.or.jp/oshirase#oshirase-1963

どうですか? ハクタイキョウがどんな組織か? 想像できましたか?

次に木材保存協会の認定品です。やっとホウ酸の文字が出てきます。
(といってもただ単にホウ酸と書かれてるものは濃度が薄いですが)

http://www.mokuzaihozon.org/info/yakuzai/

こういうのを見るとどのメーカーがいったいどんな薬剤を売ろうと
しているのかがよくわかりますね。

では、大事な今日のまとめです。

しろあり対策協会の認定品と指定された瞬間、ほぼ農薬となります。
設計図面の仕様書、よくよくご確認の上、ご留意ください。

木材保存協会認定品の中でも、ホウ素系薬剤をせめて駆除以外では
最低限選択する、選択してもらうようにされてください。

ボロンdeガード工法と指定して貰えば責任施工で15年保証ですので
安心です。天野事務所と電話番号まで書いて頂ける著名設計事務所の
先生までおられますが、感無量ですし、住まい手さんにも安心です。

是非、皆さんもそうしてもらってください。笑
少々宣伝臭くなりましたが、とても大事な話ですのでご留意ください。

何気ない一文で、劣化対策、防腐防蟻の中身が決まってしまいますよ。
大切な住まいと それ以上に大事なご家族とを よくお考えください。
それから家づくりで地球環境のことにも 是非想いを馳せてください。

2014年12月2日火曜日

雨上り決死隊

こちらの参考写真。急に大雨が降った休み明けの某建売住宅の現場です。
基礎コンクリートに随分水が溜まっていますが、水中養生でしょうかね。



使われている木は、世の中で緑の柱とか言われている類のものだと思います。
いわゆる加圧注入処理材です。K3とかも言われます。

一般的に加圧注入処理材は、ベイツガやスギ、パインなど通常そのままでは
土台のような腐朽や蟻害が多い箇所には使えない樹種のものが大半なんです。

逆にひのきやヒバなどは、公庫の規定上でも(D1)特定樹種とか言いまして
一応耐蟻性なり、耐腐食性が認められて無垢のまま使用を認められています。

まあ、それすら大とか中とか、実際そんなので良いんですかのレベルですが。
6ヶ月実験やって割と丈夫とかそのレベルです。勿論、強い方が良いですよ。


で、こちらの写真がややわかりやすいですが、よく見ると横に細い線状の穴が
無数に並んでいるのが見えるかと思います。ここから薬剤を注入されています。

もともと比重が軽く、隙間に入りやすい材に、さらに穴を開けて薬剤注入です。
これで1cmぐらい浸透すると言われています。ただ酸化銅などは水溶性ですが
浸透性が高くないので、それ以上は浸透しません(ホウ酸は徐々に徐々に浸透)

で、ご覧の通りびしょびしょです。比重が軽くて無数に穴が空いていますから、
そこからしっかり水を吸ってることでしょう。乾けばいいのかな。存じません。

ただ私なら、この上に建物を建てるのは嫌です。
どうしてもというなら、乾いてからホウ酸撒くしか手がありません。
私は薬剤にせよホウ酸にせよ表面濃度こそがキモだと個人的に思っています。

養生マニュアルも何もなく搬入されてきますから、程度の差はあれ濡れるのは
割と普通の話です。これで大丈夫なんでしょうかね。

なぜか施工店仲間でも加圧処理剤が食われているのを見かけたりするのです。
木口(切った断面)が真っ白けだからかなぁとか思っていましたが、どうやら
それだけでない気がします。この細い穴からサクれて割れてきたりも見ますし。
銅系は腐朽には効くと言われますが、耐蟻はどうなのかなぁと思わなくもなく。

まあ我々から言えることは、樹種そのものが、なるべく耐蟻性や耐腐性が高い
ものを選んでいただいて(ひのきやヒバなどの比重が重く、目が詰まった樹種)
その上でしっかりとボロンdeガードで劣化対策を行っていただく。
それしかないですね。そうすれば養生、雨対策もきちんと付いてきますから。