2015年1月19日月曜日

何年目の耐震性能なら満足ですか?

阪神淡路大震災から、20年が過ぎ、21年目となりました。

直接間接を問わず未曾有の激震でお亡くなりになられた方々に
謹んでお悔やみ申し上げるとともに、二度とこのような被害が
起こらないことを祈るばかりです。

この間、年末年始のバタバタでブログ更新が遅れ失礼しました。
これまでどおり。すべては住まい手のため、住まいの劣化対策
業務を通じて日々感じた想いを書き記して参ります。

さて、テーマにするのは心苦しいのですが、住まいの耐震です。
私は構造の専門家ではないですが、建築基準法どおりの耐震性、
すなわち新耐震ないし耐震等級1で十分でないとは想像します。

では耐震等級2なら大丈夫かというと長期優良住宅(等級2)
の実働実験で倒壊したデータ(動画)があります。

やはり構造計算(許容応力度計算)を入れて可能なら等級3を
目指すのが本来だと思います。ただし寒冷地などでは積雪荷重
から等級3までは難しく等級2止まりのケースもあるようです。

で、阪神淡路の話に戻しますが、倒壊家屋の相当程度に蟻害や
腐朽が見られたそうです。木部の2大劣化要因が、しろありと
腐朽菌であることから、木部劣化対策は耐震性能に直結します。

実に倒壊家屋の7割近くにも食害が認められたそうですので。。

耐震性能にせよ、気密性能にせよ、将来に亘って担保するのに
木部の劣化対策は必要不可欠です。グスグスの、スカスカでは
耐震も気密もへったくれもあったものではありません。

ヒートショックで住まいで人が亡くなるのは悲しいことです。
住まいとは住まい手とその家族に健康快適を提供、享受させる
ことこそが第一義であるべきだからです。

同様に地震で建物が原因で人が亡くなるのは哀しく恐ろしい。。

新築でも、リフォームでも耐震が謳われて久しいですし、実際
震災後はツーバイフォー工法が増えたり一般的な分譲住宅でも
耐震等級3を取得済みの物件はそれほど珍しくはありません。

でも、それはあくまで新築時の話です。引渡し時点の話です。

一般的な木造建物がしろあり被害に逢うのに平均13年とのこと。
すなわち13年も経てば何かしら耐震性能にも影響が出ていると
考えるべきではないでしょうか。実に倒壊物件の7割ですから。。

では、築13年、一般的な薬剤で保証も切れ、効果も切れていて
再施工も費用を惜しんで行われていないことも多々あるでしょう。

いつまでも再施工させられるのも実際のところ考えものですから。
皆が皆、几帳面に、馬鹿正直に?、業者のいいなりとは限らない。
そもそも床下はまだしも、壁体内や小屋裏などはどうするのか。。

築13年以降の耐震性能、それこそが実際問われるべき性能です。
築13年以降の耐震性能を考えた住まいづくりをされてください。

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