2014年10月25日土曜日

アメリカカンザイシロアリは本当に怖いのか?

前回ホウ酸のことを書こうかと言いましたが、タイムリーにアメリカカンザイシロアリの駆除現場があったので、今回はアメリカカンザイシロアリについて書きますね。現場の様子はfacebookでもアップしておりますが、また動画もご紹介できればと思っています。

さて、アメリカカンザイシロアリ、漢字で書いてみると亜米利加乾材白蟻。怖い怖いと言われていますが一体何が怖いんでしょうかね。

まず第一に、通常の地下シロアリ、在来種のヤマトシロアリやイエシロアリのように土壌から上がってくるタイプではなく、飛来するということですね。だから換気口からでも軒天からでも外壁の通気層からでももちろん窓からでも平気で入ってきます。

今までのシロアリ対策は、土壌GLから1mだけ、まあぺろっと塗っておけばいいですよというのがお上の感覚だったわけです。まあお上でも公庫でもいいのですが、シロアリ対策のベースは今でいう住宅金融支援機構、以前の住宅金融公庫の指針がベースというのか全てだったんです。これは今でもそうです。だからやれヒノキやヒバなら無処理でOKだとか、外壁の軸組だけやっとけばいいとか無茶苦茶なやり方がまかり通っているわけですね。まあ、それで駆除と再施工の仕事でシロアリ業者さんは潤っている、潤っていたわけですが。

では、そのシロアリが飛んできたらどうすんのと。。どうすんのと言われても、何もしてなければ指加えてかじられるの見てるしかありません。まあ、殺虫剤買ってきて慌てて気づいた箇所にかけるぐらいのことでしょうが、そんなことをしてもほぼ無意味です。

アメリカカンザイシロアリが怖いのはその巣食い方です。まず、気付くかどうか。一般のシロアリのようにやれ点検してればいいんだというものでもありません。蟻道が通常ないからです。イメージとしてはキクイムシの食べ方に近いです。あれのすごい版、しかも強烈にタチの悪い版と考えてください。

キクイムシなら蹴り出し穴がぽつぽつぽつぽつ空いてきて、木屑が落ちてきたりで、あっ喰われてるなと視覚的にもわかろうものですが、アメリカカンザイシロアリの蹴り出し穴は小さくわかりにくいです。それでいて喰われ方はめちゃくちゃです。。

アメリカカンザイシロアリはコロニーを家中に作っていきます。一軒の家で30個以上コロニーがあったこともあります。すなわち数十カ所のコロニーから縦横無尽に、柱や梁の間を文字通り縦横無尽に巣食っていきます。

食害と併せて、彼ら特徴的な糞を出します。これが発見のきっかけである場合が多いのですが、家の中に出た場合、ホコリか何かと勘違いして掃除して気づかないケースもあります。

ただ、確実に柱や梁の中にはこの糞が大量に溜まっているのです。。。糞が溢れ出て、もう居場所がなくなってこぼれ出てきていると考えたほうが良いです。それだけ柱や梁の中はスカスカのメリメリ、パリパリになっています。一見大丈夫そうに見える柱や梁でも表面の皮を剥いで見るとザザザザザーっと大量の糞が滝のように流れ落ちてきます。これは衝撃的な光景です。この状態で、やれ耐震も気密もへったくれもあったもんじゃありません。

あなたの家が、大切な何千万もかけた家が、こだわりの無垢の柱が(特にヒノキを好みます。もちろん集成材でも同じことです。)気づかぬうちに屋根裏で、壁の中でカンザイシロアリの糞に毎日毎日ドンドンドンドンかじかじかじかじ化けていたらどうしますか?慌てて駆除を依頼しますか?誰に依頼しますか? その辺のシロアリ業者さんに相談しても大抵まともに処理できませんよ。どうしますか? 家中に薬剤を撒きますか? やれ安全だ安全だLD50だといつも得意げに話しているシロアリ業者の薦める農薬由来の合成殺虫剤、本当に家中に撒けますか? それ撒いて平気ですか? 小さなお子さんはいませんか? 妊婦さんは? アレルギーやご病気の方は? ペットは? 毎日毎日ガンガン頭が痛くても本当に平気ですか? 一回なんかで処理は通常終わりませんよ。下手すれば何年も何年もガンガン頭の痛い状態でその家に住みつづけられますか? 住宅ローンもあるでしょうね。実際、夜逃げ同然の空き家もあります。目も当てられません。

え? お化けみたいなもんだろうと? そんなの聞いたこともない見たこともない。

住宅ローン組むのに火災保険加入はマストですね。家が火災に会う確率、どの程度でしょうかね。設計士さんや工務店さんでも俺の作った家が燃えたってご経験は少ないかもしれませんね。でも不動産を担保に融資する銀行などの金融機関はそのリスクを考え保険を掛けさせるわけです。シロアリの被害にどんなにあったって、住めなくなることは想定していません。

アメリカカンザイシロアリの被害発生箇所は集中します。ネットとかでも被害状況調べると日本地図が出てきてこの辺が危ないとマーキングされています。でもあれで見てもなんのことだかさっぱりわかりません。もっとピンポイントに、何々市の、何々町、それも何丁目と何丁目だけ、なんていうのが最初は多いです。例えば川を挟むとそこそこ大きな川なら飛び越えられず、一定の挟まれたエリアだけ食い尽くされたりします。

米軍が近い、港が近いなんていうのが従来危険でしたが、今や輸入建材、輸入家具、特にリサイクルやアンティーク家具あたりがあるので怖いです。あなたにその趣味はなくても隣の家やその隣、あるいは同じ町内にそんな趣味の方がいて被害発生すればそこを起点に周辺が徐々に齧り尽くされていきます。このリスクを誰がどう担保、保証してくれるのでしょうか?  設計士さんでも工務店さんでも、アメリカンザイシロアリのことは聞いたことがあっても現実に経験や対応している方はおそらく殆どおられません。限られた予算がありますから、あるかないかわからない話を確率論的に排除してしまうというのは無理もないことかもしれません。然しながら、いざ発生時に誰がリスクとるのかは住まい手さん自身でしかありません。誰も守ってくれません。シロアリ業者に相談するたびに疑心暗鬼になり問題の深刻さに気づきます。

ほーら木造怖いでしょう、鉄骨のほうがいいですよとハウスメーカーの営業が進めてきたとしても、内部に木が使われている限り鉄骨でもRC造でも同じです。構造材がかじられないのが不幸中の幸いというだけです。天井でも壁の下地でも廻り縁でも食べられます。

よく作り手の方でも俺の作った家はシロアリの被害にあったことがないなんてことおっしゃる方もおられるので、正直信じるのもそれを聞き流すのも自由だと思います。すべては自己責任です。ただ非科学的なこと、科学的に検証可能性が乏しいことはあまり過信されない方が良いかと思います。地域性だ風土だとか、出てしまえば正直これは一緒です。

私がもし設計や工務店を自分自身がやるとしたら(やりませんが)、ホウ酸全構造材処理は標準化します。これは必ずです。えっ? 自分でやるから安く出来るんだろうと? あの、ボロンdeガードの施工店は工務店さんはダメなので。。笑 他の施工店さんに頼んででもやります。 実際に被害を見て知っている以上は、知っているのにそのリスクを放置するということが不可能だからです。放置に耐えうる程度の看過できるリスクとも思えません。これを読んだ方はぜひやってください。これは住まい手さんに申し上げています。最後のリスクは自分自身です。やってください。坪1万だけ上がります。それで腐朽菌も害虫も対策できます。難燃効果もあります。

え、もう建ててしまった? 今からでも遅くありません。ダスティングしましょう。小屋裏や床下、軒天にホウ酸の粉をぶわーーーっと撒きましょう。本部実用新案取得済みの私どもだけの特殊技術です。妊婦さんや保育園でも採用実績あります。特にリフォーム時には最適です。やりましょう。やっていいことばかりです。アメリカカンザイシロアリがでなくたって価値があります。丈夫な安心安全な家にします。あなたの大切な住まいをストラディバリウスのように。

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